飛びます飛びます

3月、出先のファミレスで一人で食事をしていたら、となりに春休みで遊びに来ているらしい女の子の集団がいた。
聞くとはなしに話を聞いていたら、というか、まあ、賑やかなので嫌でも聞こえるわけだが、どうやら中学校を卒業したばかりで来月から高校生、という状態らしい。
中学生でも高校生でもない境目の時期。
なんか不思議な解放感あるよね。うん、懐かしい。


彼らは蒲田屋より前に入店していたので、蒲田屋が注文した頃には食事を終えてダベりモードに入っていたが、ドリンクバーだけでは寂しいらしく、つまみをオーダーしようとし始めていた。
メニューを開いてああだこうだと話し合う女の子達。


誰かが、「ポテトフライ!」と言った瞬間、別の子が大笑いした。


本人以外は、何がおかしいのかさっぱりわからず、きょとんとしている。
それを感じ取った爆笑ガールは、「だってww じゃがいもww 飛んでるwww」と溢れる笑いもそのままに、なんとか理由を説明するが、やはり周囲は理解できずに困惑している。


あー、この子、帰国子女だわー。


と思ったのもつかの間。
……いや、スペル違わね?


あ、でも、日本人がカタカナ語の発音で「ポテトフライ」って言ったら、「Potato fly.」に聞こえるか。
なるほど、そっちの方が音声言語としてのイングリッシュスピーカーっぽい。


しかし、冠詞や単数と複数はどうだったっけ? この場合はいいのか? よくないけど会話だと許容されるとかか? そこの不自然さも含めて面白いのか? と、文法的疑問が湧いたが、蒲田屋の英語力では正解に自力でたどり着けそうもなかったので深く追究するのはやめた。
疑問の発端は、「potato が単数なら Potato flies. じゃね?」と思ったところからなのだが。


それはそうとして、こういう和製英語的な言葉が日本人を英語下手にさせてるってのは本当かもなぁ、と思ったり思わなかったり。
彼らは高校の英語の授業で、この日のことを思い出すこともあるだろうから、いい経験だったと言えるかもしれないけど。


ところで、じゃあ本当の英語では何て言うんだろう。
調べてみたら、米語では French fries、英語では chips*1 だそうな。


和製英語をやめようと「フレンチフライ」と言ったところで、あの女の子はやっぱり笑うような気がする。

*1:これで、マクドナルドやケンタッキーのあのポテトを意味するらしい。英語でポテトチップスは crisp らしい。ややこしいな……。