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恥ずかしい話だが自戒のために。
「有害物質が雨と一緒に降ってくる」というデマに踊らされてしまった。
リアル知り合いから携帯メールに来た情報で、つい疑わず他の人に「拡散」してしまったのだ(デマまとめ)。


結果としてデマを広めたことに疑いはないが、言い訳かたがた今後のために反省してみる。
言い訳としては、ウェブもテレビも見ていないときに来たメールだったのでつい反応してしまったというのが 1つ。
もう 1つは、裏が取れていないのは認識していた*1が、利害得失を考量した結果、とりあえず転送しておこうと思ってしまったから。
利害得失の考量というのは、「デマだったときに、それを信じたことによる損害」と「事実だったときに、それを無視したことによる損害」を比較して、より損害の少ない方を選択した、ということ。


最大の原因を先に言うと、その利害考量は「情報の真実性を確認する手段がない場合」という前提があるときに成立する話であり、その認識を間違えていたことによる判断ミスなのだが、その点についての反省は後に回す。


そのときは、「雨に濡れないように気をつける程度なら、無駄な行為であっても大きな損害となることはあるまい」という発想で安易に考えていた。
結果として、直接的には他人を惑わせた or 煩わせたという点と、緊急事態下における貴重なネットワークリソースを無駄に消費してしまったという点で、見えているより多くの人に迷惑をかけた。
そういう意味では、情報がデマだった場合の損害を過小評価していたとも言える。


そこで、今回の反省に基づく対策であるが、Twitter を始めようかと思う。


冗談でなく。
今回の件で、プッシュ型(死語)情報サービスの強さを思い知った。
同時に、プル型の限界を感じた。


と言っておいてなんだが、そこまで一般化して考えていいのかどうかは微妙ではある。
情報を評価する際に重要な、質と量について異なるから単純に比較ができない。
蒲田屋の場合、プル型というのは、個人のブログからではなく、もう少しは慎重な発表をする組織のニュースサイトだからだ。


それにプッシュかプルかで言うと、メールもプッシュ型なわけだし、今回のデマ発生源は(多分)Twitter だからプッシュ型がデマを拡散したわけで、単純にプッシュ型が優秀だとは言い切れない。
使い方次第というのは当然だ。


しかし、Twitter の優位性は、その情報ソースの多様性にあると思う。
それなりの「仕込み」が必要にはなるものの、うまく仕込んでおけば複数の方向からの情報が入ってくる。
また、ある情報に対する評価やツッコミも同時に入ってくる可能性がある。
プル型の情報ソースへのポインタもあるかもしれない。


言い訳を重ねるのは見苦しいが、つまり、前後の情報や他のルートの情報もあったらもう少し判断が違ったかも、などと思うわけだ。
それに、最初にこれを見たのが Twitter だったら、少しは考えたと思う。
「世間の噂」という前提で見ていたはずだから。
少なくとも、「情報の真実性を確認する手段」に考えが及んだはずだ。


それが直接の知り合いからのダイレクトメールだったので、無意識に信憑性を高く評価していたのだろう。
そして、同じことが起きる原因を自分が作ってしまったというのは大きな反省だ。
まあ、Twitter でも、反射的にリツイートしてしまう可能性も否定できないが。


そもそもは最初に書いたように、情報の裏が取れていないことを認識していながら、すぐ裏を取る作業をしなかったのが最大のミスなわけで、それについては反省するしかない。
しておかないと、どんなメディアでも同じことをする。


情報ソースの少なさという観点からは、部屋に(まともな性能の)テレビがないというのも原因かもしれない。
不便だからテレビ見る気にならなくて、今日はほとんど見てないし。
あと、やっぱり「まとめサイト」はそれなりに追っかけた方がいいのかも。
情報とそれに対するツッコミの両方の議論が見られるというのは貴重な場だ。
リアルタイム性は落ちるけど、まとめてくれているのはありがたい。


調べてみれば、このデマの話を取り上げている報道サイトもあるが、ニュースの更新ペースが速すぎてトピックが流れてしまったり、逆に記事として取り上げるタイミングが遅すぎたりして、サイトを見るタイミングによっては拾えないニュースもある。テレビもしかり。
そう考えていくと、どのソースも一長一短。
結局、うまく使い分けていくしかないというありふれた結論になるが、それが難しいんだよな、というやはりありふれた感想になる。


まあ、そもそも情報が錯綜している状態で評価してもあまり意味がないという話もあるが、そういうときこそ情報が重要なのだから、考えるにはいい機会であるとも言える。
正直、考えるより他にやるべきことはたくさんあるのだが。

*1:一応、転送メールにも「裏は取れていませんが」というエクスキューズは入れていたが、やっぱりまあ、無責任。