注文の多い料理店

「ランチ、ややお高めで 1500円ぐらいですがいいですか」
「んー、はい、わかりました」
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「材料費が予想以上にかかったので 6500円になりました」
「え」
「このランチは一流シェフが腕によりをかけて作りました。店のオーナーの肝煎りで、社運のかかったメニューです。あなたに食べてもらわないと大変困ります。なにしろもう作ってしまいました。それから、これはシリーズ化の展開を考えているので、今後も毎日食べてもらいます。いつまで続くかはわかりません。私どもはあなたに専任で食べてもらうことに決めました。この、世界に名だたる名シェフのランチを食べることはあなたの今後の人生にとっても非常に価値のあることです。私どもはあなたと運命を共にする覚悟で提供しております」
「???」


どうやら異世界に迷い込んだようだ。