どこに出しても恥ずかしい

以前転職して入った会社が、付箋を活用する情報整理法を全社的に採用していたのがきっかけで、蒲田屋も付箋紙大好き人間になってしまった。


おかげで、付箋を貼りまくってディスプレイの画面縁がひまわりみたいになるのはよくあることで、その光景を見慣れてしまって覚え書きの意味を成さなくなることも多々あった。
そのあたりは、反省しながら改善されてはいるが、いまだに 1年半ぐらい前の付箋が貼ってあるので、完全とは言い難い。


それでも、とりあえずメモって貼ることの効果が大きいのは間違いないので、大事なことからどうでもいいことまで、短期的な ToDo は付箋で片付けている。
それ以外の中長期的な予定はパソコンのスケジューラーで、という感じで大体使い分けている……わけではなかったが、自然にそうなっていたようだ。


そんな蒲田屋の毎日に欠かせない付箋紙だが、「とにかくメモ」という性質上、一番消費されるのがポスト・イットで言う見出しサイズである。
サッと一言書いてペタッと貼る。
1枚に 1タスク。
用が済んだら迷いなく捨てる。


この、終わったり変更になったらさっさと捨てる、というのが実は一番重要なのは前述の通り。
ここに迷いが生じると、結果としていつまでも貼りっぱなしになる。


そこで、ブランド品のポスト・イットは高いので、5パッド入りで 105円という PB商品を買いだめしたりもする(ToDoメモ以外にも仕事で大量に消費するせいもある)のだが、最近になって意外な壁にぶち当たった。


メモるときに、たかが数文字なんだから、ちょっと気を遣って丁寧に字を書こうと心がけている。
慌てて殴り書きのときも多いが。


しかし、まれに何かの間違いで全部の文字が会心の美しさの楷書で、しかも文字の配置まで見事に決まってしまうことがある。
滅多に書けないだけに、もったいなくて捨てられない。


そんな、どこに出しても恥ずかしくない美しさの文字なのだが、そういうときに限って内容は恐ろしくどうでもいいことだったりする。
おかげで、普段なら「ほれこの通り」と写真を載せるところだが、羞恥心がそれを許さない。


皮肉なものだ。