夢のような話

先日、最近にしては珍しく、起きた後に落ち込むような夢を見た。
悪夢っていうのとは少し違うような気もする。
どちらかというと、思い出したくないタイプの記憶が、本質はそのままに新たな解釈と大胆なアレンジを加えた新ネタ書き下ろしで本邦初公開的な夢。


でもまぁ、その日の夜にはすっかりどうでもよくなっていたので、意外と耐性ついたのかもしれん。


そんな、久しぶりにイヤな夢を見て思い出したのは、昔は夢の中で夢の中にいることを自覚できていたということ。
明晰夢ってやつなのか。


しかも、ある程度だが夢の内容をコントロールできた。
だから、夢の中にいるとわかった時点で、悪い方向に話が転がったら必殺の「シナリオ強制書き換え」ができるから大丈夫、と安心して夢をエンジョイできたのだ。


なんか書いてて、自分でもちょっとアレな感じで怖いのだが。


とはいえ、そんなに自由に書き換えられたわけでもない。
いざとなったときに、かなり頑張って致命的な一部分だけ変えるぐらい。
もうやられるしかないという状況で、今までチャージしたパワーを全部消費してボム使うみたいな最後の手。


例えば、追いかけられる展開になって追い詰められたときに、テレポートでどこにでも逃げられるとか、高いところから落ちたときに、「実はオレ飛べた設定」をその場で付加して事なきを得るとか、こう、目が覚めてるときに真顔で語ると恥ずかしくてたまらない、いかにも夢的なその場しのぎを活用していた。


そして、もっと大技として、「強制的に自分から目を覚ます」という非常識な技があった。たぶん奥義。
その技のすごいところは、能動的に目を覚ました後、二度寝するとさっきまでの夢が都合のいい部分から再スタートできるという、いわばセーブ機能を持っていることだ。
嘘のようだが本当に昔はそんな冗談みたいなことができた。


もちろん、場合によっては寝付けずに、そのまま「蒲田屋先生の次回作にご期待ください」になることもある。


だからどうってことでもないのだが、昔はそんなこともあったなぁ、とふと思い出したのでネタにしてみた。
ちなみに、最近はまったくできない。
しかし、こうして改めて書くと、我ながら大丈夫かコイツという気になるな。さすがに。


とりあえず、流石の妄想力ということにしておきたい。