一次資料

暑いですね。
関東では今年一番の暑さだそうです。


だから、そういう全米第一位的な表現はどうなのよ、と毎度ボヤいても芸がないので、今回は一歩踏み込んでみました。
新聞もテレビもネットのニュースもみんな「今年一番の暑さ」と表現するからには、ソースがそういう表現をしているに違いない、ということで気象庁の天気相談所に問い合わせてみました。
ある意味電凸? いやいや、取材ですよ。
以下、要約。


わたくし、フリー(スタイルのブログ)ライターをしている蒲田屋と申します。
気象情報に関する用語についてお伺いしたいことがあるのですがよろしいでしょうか。

はい、どういった内容でしょうか。
例えば今日など、「今年一番の暑さ」という表現が各種メディアで見受けられますが、この「今年一番」という表現はどのような意味でしょうか。
それは文字通り、今年になって一番、という意味です。
今年の 1月1日から今日まで、ということですか。
そうです。
では、明日やそれ以降は含まないわけですよね。
そうですね。
ということは、場合によっては明日の気温が高ければ、また明日「今年一番の暑さ」になるし、さらに翌日の方が暑ければ、また「今年一番の暑さ」という発表になりますか?
それはそうなりますが、わたくしどもとしては、淡々とデータを発表しているだけで、特に「今年一番」かどうかには言及しておりません。
え、そうなんですか。
……ということは、データを利用しているテレビ局や新聞社が勝手にそう表現している、ということですか。

やはりメディアの方はセンセーショナルな表現を好む傾向があるようですので、そういうことだと思います。
なるほど、そうだったんですか。
ちなみに、そういう表現について気象庁としては、また個人的にはどうお考えですか。

特に害があるわけでもないですし、個人的にも特に何もありません。
そうですか……。ただ、場合によっては、「今日が今年一番の暑さなら、これから先はこれ以上暑くならない」と誤解して暑さ対策を怠る人がいるかもしれませんが、そういう点でも問題はないでしょうか。
それが 7月や 8月ならそういうこともあると思いますが、今の季節ですから、そのようなことはないと思います。
いえ、今日に限った話ではなく、8月に「今年一番の暑さ」という発表があることもあるわけですが。
それはそうですが、暑いと熱中症の危険があったりということもありますが、基本的に暑さや寒さは直接災害につながるような現象ではないので、そこまで厳密に表現の正確性を求めてはおりません。
なるほど、わかりました。ありがとうございました。


と、こんな感じ。
別にライターを名乗る必要はなかったけど、それっぽい方が詳しく説明してくれるかなー、とか、屁理屈こねても答えてくれるかなー、と思って。
で、結論としては、「メディアが勝手にやってることなんで関知しません」ということらしいです。
あー、メディア側っぽい肩書き名乗ったのはまずかったかな。


あと、キーワードは「災害」でしょうか。
確かに自然災害とは定義が違うんだろうけど、健康に大きな影響があることだし、誤解を招きかねない表現を放置していいのかなぁ、とちょっと思いました。
家の中ででも熱中症で亡くなる人とかいるんだし。
まあ、このへんはメディアリテラシーの範囲、ということでしょうか。


ともあれ、長年の謎が一つ解けて、少し満足しました。
聞いてみるもんですな。


ところで、このネタ、R25 あたりで買ってくれないかしら。