柔軟性

フレックスタイム制とか書いてたら思い出しました。
新卒で入った会社の想い出。


その会社は、始業が 8:40 でした。
終業は 17:30。
ちなみに、お昼休みは 12:50 まで。


普通は 9:00-17:00 の 12:00-13:00 だと思いますが、これにはわけがあって。
大昔、土曜日が休みじゃなかった時代にあれこれあって、土日を休みにすることになったのだが、そのままだと労働時間が減るので、土曜日の分を平日に振り分けた結果なのです。
歴史の長い会社では結構あるのかもしれません。


そんな会社が、時代を先取りしまくってフレックスタイム制を導入することになりました。
結構、業界でも早い時期だったと記憶しています。


仕組みはオーソドックス。
コアタイム 10:00-15:00 で(確か)週40時間勤務。
月160時間勤務だったかもしれないけど、結局は同じ。
ごくごく普通の設定です。


それが導入してみたらボロボロ。
誰も定時になど来なくなり、みんな 10:00 に出勤するもんだから、客先からの朝イチの電話に担当者がいないという事態が多発し、苦情が殺到したそうです。
当時、蒲田屋は内勤も内勤、社内の技術支援部隊にいたので、あまりそういう現場を目の当たりにすることはなかったんですが、各方面からそういう話はよく聞きました。


そのうち、部門長の権限とやらで、フレックスタイム禁止になる部署が出現し始め、見事にダブルスタンダードな感じになっていきました。
その頃、やはり時流に乗って通年採用なんてことを始めてもいましたが、勤務形態に堂々と「フレックスタイム制」と誇らしげに書いてあり、大丈夫かなぁこれ、と思ったものです。


禁止にならないまでも、フレックスタイムは部内(課内)のメンバーで交代で取るようにする、なんてお盆休みみたいなことを言い出す部署や、月に何回まで使っていいというシューティングゲームのボムみたいなルールにする部署が出てきたり、果ては、(朝の)フレックスタイムを何度も利用すると人事から怒られるというウワサが流れたりと、なんだか妙なことになっていました。
余談ですが、ウワサではなく本当だったようです。


さすがにこれはまずいと思ったお偉いさん方は、フレックスの設定を変更しました。
いわく、


コアタイムをそれぞれ 1時間ずつ引き上げる。


要するにですね。
コアタイム 9:00-14:00 ってことです。
なによそれ。
かくして、


今日はフレックスタイム制を利用して 9:00 出社〜♪
って普通の会社と一緒じゃん!
朝の時間裁量権 20分て。


体調悪いの押して出社したけどやっぱりダメ、午後半休取って帰ろうかな……
って、食事してから 1時間ボーッとしてればフレックスで帰れるじゃん!
午後 2時に。


という、ネタのようだが本当の愉快なフレックスタイム制となりました。
ちなみに、昔ながらのノリなので 8:40 過ぎぐらいから、なんとなーく朝礼が始まって、誰かのスピーチがあって偉い人のお言葉があって、終わると 9:00前です。


いくらフレックスタイム制で認められているからといって、現実には 14:00 に「お先に失礼しまーす」とかできるはずもなく。
そもそも 20:00前に帰るのに気が引けるような会社だ。


そんなこんなで、フレックスタイム制はグダグダのうちに有名無実化しましたとさ。
めでたしめでたし。

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追記。
今どうなってんのかなーと、会社のサイト見てみたら、


■勤務時間
フレックスタイム制コアタイム 9:00〜14:00、標準労働時間 7.9h
標準勤務時間帯 8:40〜17:30

ってなってて、申し訳ないけど笑った。