言い訳は鮮やかだよ一級品

今日、地下鉄の駅でちょっとした騒ぎに遭遇。
三越前の駅の中を、半蔵門線から銀座線に乗り換えようと歩いていたところ、若い女性が通路の柱にもたれて座り込んでいた。


ぐったりとうつむいていたので顔は見えなかったけど、どう見ても 2年目以降の会社員は着ないだろうというぐらい小ぎれいなスーツにバッグで、おそらく新入社員ではないかと。


ちょうど帰宅時刻で人通りも多く、すでに 5、6人の人が取り囲んで心配そうに話しかけたり見守ったりしていた。
蒲田屋も思わず足を止め、何かやった方がいいことがあるんだろうか、と柄にもなく考えてみたり。


状況を見ると、何を言っているのかはわからなかったけど、近くで声をかけている人になんとか返事をしている様子で、意識はあるらしい。

中年のスーツ姿の男性が、駅員を呼んできますと言って改札の方へ走って行った。


ということは、駅員が救護室に連れて行くなり、動けないようなら担架で運ぶなりするだろう。
症状が重いようなら、その後、もしくはその場で救急車を呼ぶだろう。
仮に一刻を争う状態だとしても、医学どころか応急処置の心得すらない蒲田屋は、邪魔にこそなれ役に立つことはあるまい。
駅員なら最低限の応急処置ぐらいは知っているかもしれないし。


人手が必要なことがあるとしても、周りにいる人で足りるはずだ。
駅員だって、状況を聞いてから来るなら一人ではないだろう。
それに、回復したときに、大勢の人に手間をかけさせたと知ったら、本人も居心地が悪いに違いない。


と、そこまで考えてその場を去った。


結局、ただの野次馬だった。
大ごとではなかったと思うけど、心に残る無力感。