ピッチングセンター
近所にテニスの壁打ち場がある。
夜中の散歩コースにそこの正面が含まれているので度々通るのだが、かなり遅い時間になっても練習している人はいる。
照明がないので、街灯の光が漏れ入ってくる一人か二人ぶんのスペースぐらいしか使えないが、そこに誰かしらいる。
暖かくなってきてからは特に。
しかし最近、明らかにテニスボールではない音が聞こえるときがある。
よくよく見ると、野球のグローブをはめて壁に向かって一人キャッチボールをしている。
そんな。
初めて見たときは、一人でキャッチボールして意味あるんか、そんなの全然実践的じゃないだろう、と反射的に思ってしまったが、よく考えたらテニスの壁打ちも似たようなものだった。
なので、まあそういう練習もあるんだろう、壁があってボールぶつけて怒られないところって今どきあんまりなさそうだしな、と思っていた。
だが今日、前を通ったらいつもと様子が違う。
二人いた。
話しながら壁に投げてた。
壁投げ(仮)じゃないといけないの……?
いけないのかも。
いけないな。
ごめん、反射的に書いた。