そいつがルパンだ

引っ越しする前、だから 1月の終わり頃。
日も暮れて辺りが暗くなった頃、最寄り駅を出て信号待ちをしていた。
すると突然どこからともなく響く高笑い。


それは不自然なほど演技くさく、だが力強く無邪気にこだまする。
文字に表すなら、「フハハハハハハハハハー」としかならないほどにわざとらしく。


何事だ、この棒っぷりは金城か、やっぱり怪人二十面相なのか、と訳のわからないことを考えていると、目の前を携帯を耳に当てながら自転車に乗った女性が、ドップラー効果かましながら高笑いとともに高速で過ぎ去っていった。


あれはなんだったのか。