Who and Whom?

PSPアナタヲユルサナイ」の感想など。
ネタバレなしで(公式サイトで得られる情報レベルは書いてます)。


一本道系の、文字通り「ノベル」ゲームと理解した上でやって、65点(普通)*1
謎解きパートがあるとか、分岐で物語の展開が大きく変わるとか、そういうゲームを期待していると期待はずれに終わります(バッドエンドはあります)。
そもそも、「ポータブルノベル」というジャンルのゲーム(?)なので、それはそういうものだと理解するしか。


そうなると、ストーリーが評価のほとんどを占めるわけですが、うーん、まぁ、好きずきってとこですかねぇ。
って、それを言っちゃおしまいなんですけど、そんなに人を選ぶようなお話ではありません。
むしろ普通な感じ。
大雑把に言えば、入門用推理小説あたりでしょうか。
謎、伏線、手がかり、推理、解決、といった基本的なお約束事項がきちんと入っています。


現代日本でやると、どうしてもファンタジーになりがちな「私立探偵モノ」ですが、うまくリアリティを出しているのは良かったです。
捜査権はないし、法に触れるようなことも(大っぴらには)できないし、そもそも依頼のほとんどは浮気調査か素行調査。
そんな地味で単純な依頼が面倒な方向に転がっていく……というのは公式サイトでほのめかされている通り。


入門用、と書いたのは、推理小説としては割とわかりやすい方だと思ったので。
流し読みして、えーそうだったんだー、という向きには新鮮かもしれないけど、しっかり読み込んでいちいち推理しながら読むタイプの人には、それほどびっくり仰天の展開にはならないあたりが。
でも、推理しながら読む楽しさはありますよ。


繰り返しになりますが、ゲーム性はほとんどありません。
公式サイトでは、ゲーム機ならではの仕掛けがいっぱいあるようなことが書いてありますが、まぁ、見ての通り、ミニゲームというかちょっと操作する必要があるぐらいなもんで、ゲームというほどの内容ではありません。
その辺も含めて、ライトゲーマー向けだと思います。


それ以外の点では、絵と音楽でしょうか。
普段はあまり評価ポイントにしませんが、ちょっと印象に残ったので触れます。


一見してわかるように、絵柄はかなり個性的です。
意識していませんでしたが、この絵にちょっと惹かれた感もあります。
ファッション誌かなにかのイラストレーターらしいですが、おしゃれな感じがゲームとしては新鮮でした。
音楽も、ジャズメインで生音やボーカルもあり、雰囲気が出ていました。
おしゃれな絵とマッチして、雰囲気はなかなか良かったと思います。


全体的なボリュームとしては、やっぱり少なめと言わざるを得ないかな、というところ。
しっかり読んでると、それなりに時間がかかるんですが、あっさり感はあるので。
気軽にやってみるのにはいいと思うんですが、正直なところ個人的には、これで税込み 5,040円はちょっとな、という感じ。


他には、システム面で気になることもいくつかありましたが、一応メインの特徴とされているはずの「注目」システムも含めて、特筆するほどでもないような気がするので割愛します。
ただ、アナログパッドはやっぱりちょっと使いにくいです。


最後に。
メイドカフェ店員は出てきません。
公式サイトのムービーを作った後、本編の仕様変更があったようです。

*1:今までの評価もそうですが、蒲田屋の評価は結構甘めです。そのあたりを念頭に置いて数字や感想などを読んでください。