ズルい女

中学時代の吹奏楽部の先輩に、ちょっと変わった女の子がおりまして。
その人とは、なぜか図書委員会でも一緒だったりと何かと縁があったりもしたんですが。


図書委員なぐらいなので、彼女も本読みなんです。
当時、トーベ・ヤンソンの「ムーミン谷シリーズ」がお気に入りだったようで。
しかし、蒲田屋はといえば、ムーミンについてはテレビシリーズをおぼろげに覚えているだけです。


「アニメと原作では、ずいぶん違いがあるんだよ」
「へぇ〜。例えば?」
「ミイはアニメでは子供ぐらいのサイズだけど、原作ではすごく小さいんだよ。手に載るぐらい」
「え、そうなの?」
「そうだよー。他には、フローレンの名前が『スノークのお嬢さん』になってるとか」
「フローレンって誰だっけ?」
「なんだよ、知らないの〜?」
「いや、なんか聞き覚えはあるんだけど」
ムーミンのオンナ」
「あー」


なんでこう、蒲田屋の周りにはこういう妙なセンスの人が多いのでしょうか。
この人は他にも、


「地域のお祭りのパレードに男装して参加したら、他校の女子の間で美少年とウワサになった」
「その後、地元の吹奏楽部が参加する発表会に女子の制服で登場(男装は先生に禁止された)し、性別不明とまたウワサになった」
「学校のゴミ置き場から廃棄処分のコントラバスを拾ってきて、友達と一緒に学校のプールに忍び込んで浮かべて遊んだ」
「その上に乗ってみようとしたら沈んだ」
「最後にコントラバスは解体して前衛的なペイントを施され、謎のオブジェになった」
などなど、マンガのような武勇伝がたくさんあります。


今思うと、かなりアレな人だったと思います。
まぁその、卒業後しばらく付き合ってたわけですが。




「ノンノン」と「フローレン」の名前については、また別のお話。
それなりにトリビアっぽいので、興味ある人は調べてみるといいかもですよ。


まぁ、そのネタが通じる世代は限定されますけど。