あしたは どっちだ

細かい用語の定義とかナシで、感覚的な話ね。


昨今のゲームブームで、「ゲームやる人」は増えたかもしれないけど、「ゲーマー」が増えたわけではないと思うんだ。


「ゲーム」という存在が、アングラからサブカルになって、ついにれっきとしたカルチャーとして認められるようになったから、メーカーや業界は調子に乗りすぎてるような気がするんだ。
今までゲームやらなかった層がやるようになったから、急に市場が大きくなったように見えるんだよね。


それで急激に景気良くなったような気になって、みんなこの機を逃すまいと躍起になっているみたい。
でもそれは、きっと一過性のブーム。
そう、バブル。


もうすでにゲームは二極化してきてると思うんだ。
今までゲームやらなかった層である「大衆」と、ゲームが主な趣味だった「ゲーマー」とでは、求めるゲームの質が違うからね。


これまでは、ゲームのターゲットは当然ゲーマー。
その中でも、人口の多いライトゲーマーやミドルゲーマーに受け入れられるようなゲームを作るのが普通だったはず。
まぁ、そりゃ当然だよね。


でも今は、ゲームのターゲットは大衆とゲーマー。
その中で一番人口の多い層は、って言うと、やっぱり大衆なわけ。
ゲーム制作が商業である以上、一番利益の見込めるところに注力するのは言うまでもないよね。
だから、大衆向けであってゲーマー向けでないゲームがたくさん出てくるってわけ。


もちろん、メーカーや業界は、この大衆がそのうちゲーマーになるんだと期待してるかもしれないけれど、多分そうはならないよ。
ちょっと面白いから時々たしなむ程度の人と、面白さにのめり込んで時間も費用も惜しまないで趣味にしている人とでは、こだわり度が違うからね。
流行だからやってるような人は、今は面白くても、別にゲームなくなっても特に何とも思わないだろうし、飽きちゃってやらなくなることもあると思うよ。


大昔、ルービックキューブとかヨーヨーとか流行ったよね。
子供は誰でも持ってた。
学校でルービックキューブ禁止令が出て、没収されたルービックキューブが山積みになってたりもしたっけ。


そんな大ブームだったおもちゃも、今じゃ誰も持ってないよね。
大衆はすぐに飽きるんだ。
でも、ルービックキューブもヨーヨーも、今だって世界大会がある。
好きな人は今でも大好きなんだ。


ボウリングが大ブームだった頃もあるらしいね。
老若男女、遊びに行くといえばボウリング、だった時代があったなんて聞くよ。
でも今じゃ、たまにやって楽しむことはあっても、趣味としてハマってる人はそんなに多くないよね。


もっと身近なところでは、クルマとかも似てるかな?
蒲田屋はクルマもバイクも乗るけど、走り屋でもないしメカ好きでもデコ好きでもないよ。
だから、クルマが趣味で、何百万円もかけてバリバリに改造しまくる、なんて人の気持ちがわからない……ことはないけど、蒲田屋とは層が違うんだな、と思う。


クルマも大衆に普及して、タウンユースがメインになったから、スポーツカー市場なんかは寂しいらしいね。
詳しくないからよく知らないんだけど。
でも、そのせいでエンスーは選択肢が狭まって嘆いてるみたい。
ある文化が大衆に根付いても、ジャンルの違いはどうしようもないって例じゃないかな。


なんだか、ゲームもそうなってきているような気がするんだ。


このままゲームが大衆に根付けば、皮肉なことに、ゲーマーは再びマイノリティになる。
大衆がゲームに飽きてバブルがはじけてしまえば、ゲーム業界は冬の時代。
メーカー再編で業界大混乱。ゲームの質はなかなか戻らないはず。


どちらにしても、ゲーマー、少なくとも蒲田屋のような ライト〜ミドルゲーマーには厳しい世の中になるような気がするんだ。
実際にはもう、結構前からこの傾向はあると思ってるんだけれどもね。
最近、加速気味だからさ。


根がペシミだから、ついネガなことばかり言っちゃうんだけど。
だったらどうなればいいのかな。
ゲームが文化として大衆に認められつつ、二極化した方向性が偏ることなく共に発展してくれればいいのかな。
なんだか難しそうだけどね。


正直、だったらサブカルのままでいいから、ゲームはゲーマーをターゲットに作って欲しいなぁ、なんて思っちゃうのは、やっぱり保守的かな。
明らかに資本主義社会では成功しない思想だねw


余談だけどね、日本でゲーマーに大人気のゲームでも海外で受けるとは限らないらしいよ。
海外では、アクション性がないとダメみたい。
FPS とか RTS とか人気だしね。
そもそも派手なアクションゲームが多いし。
RPG の戦闘だってアクション型が多いっぽいよ。


日本みたいに、ストーリー重視や まったりプレイのゲームは受けないんだって。
ドラクエみたいな戦闘はダメみたいよ。
落ち着かないよねぇ。


だから、海外展開を考えると、アクション性が高まる傾向があるっぽい。
この辺の好みは人それぞれだけど、蒲田屋はちょっとね。


まぁ、この先どうなろうとも蒲田屋もゲーマーの端くれだからさ。
ゲーム文化の行く末を見届けなくちゃね。
それが楽しいものだったら嬉しいんだけどな。