はげどう

だらよ3※」終わりました。
感想とか書くべきなんだろうけど、このシリーズは何を言ってもネタバレ風味なので、内容的なことは言えないんだよね。


なので、今回も悩まされました、とか、(実質的な)ジャンル的に明らかに人を選ぶけど蒲田屋は楽しかったです、とか、いつもの感想しか言えないのが残念。
ただちょっと、以前から気になっていたことをまた感じたので、そこだけ少し。


このゲーム、というかシリーズ(以下 ANOS)は、表面的にはノベル系(なかでも、アドベンチャーや推理系)のゲームに分類されるわけですが、本質的にはパズルゲームに近いものがあります。
文章から入るロジカルなパズルの部分もあるし、絵や音が手がかりのパズルもあります。
当然、いろいろ混ざってることもあります。


ともあれ、従来のアドベンチャーゲームとは一線を画す構造になっていることは過去にも書いた通り。
学力テストに喩えれば、従来型は選択肢式、ANOS は記述式と言えるかと思います。


選択肢式で、例えば 3択ならば、答えるチャンスが 3回あれば、いずれ正解します。
学力テストは一発勝負ですが、ゲームは何度でもやり直せるので、総当たりでクリアできます。
しかし、記述式では、問われていることについてまったく知識や理解がなければ、どうあがいても正答はほぼ不可能です。


もちろん ANOS の場合、正答に必要なキーワードはゲームの中に隠されていて、それに気づけるか、取捨選択が上手くできるか、適時に活用できるか、などがポイントになっています。
そのような、手がかりを集めて仮説を立てて試行錯誤のすえ正答を探し出す、という行為が楽しめれば面白い、というシリーズです。


そして今回、気になったのは、その記述式問題の模範解答についてなのです。


学力テストの模範解答では、解答に不可欠なキーワードを全て含んでいて、日本語として矛盾がなければ正解となります。
例えば、「○○の××という政策によって苦しんだ民衆が△△を要求して**を行った(同意可)」のように。


これを、「××を行った○○の政治に不満を持った人々が**を起こして△△を求めた」と書いても正解になるはずです。
同意ですから。


しかし、やむを得ないことではあるけれども、コンピューターゲームである以上、自然言語並みの柔軟な採点はしてもらえません。
つまり、「同意」と見なしてもらえる幅が狭いのです。


そのために、上記の例で言えば、○○・××・△△・**というキーワードがわかっていて、その因果関係も大方予想がついているのに、なかなか正解にしてもらえない状況が発生します。


ある面では、その「もどかしさ」が一つのテーマになっている部分もあると思います。
以前も書きましたが、「プレイヤーが気付いていないトリックをキャラクターが行きがかり上解明してしまう」展開を嫌い、「プレイヤーが気付いたトリックをどのようにキャラクターに伝えるか」の仕組みを追求したのが ANOS だと思います。
もちろん、プレイヤー自身が謎を解明する主体的なアドベンチャーゲームの実現という目的のための手段にすぎませんが。


それに、そんなに手厳しい問題ばかりではなく、キーワードとその因果関係がわかれば、大体はうまくクリアできます。
多少悩むことは間違いありませんが、それを楽しむゲームなので。


とはいえ、久しぶりに ANOS をやって、「同意」の幅の狭さ、というか、模範解答の文章に納得できないとまでは言わないけれど、「そう書かないといけないの〜?」という気になった部分があったので書いてみました。
どこ、って言うとネタバレるので言いづらいんですけど、今回は薬のところ。
ヒントから導かれる解決方法とは違うような気が。


と、ここまで書いておいてなんですが、よくよく思い返してみたら、今回はそれぐらいでした。
記憶が曖昧でアレですが、前作の方がそういう部分は多かったように思うので、かなり改善された、とも言えるかもしれません。
ANOSシリーズを複数経験して慣れたせいもあるかもしれませんが。
ただ、この模範解答の「同意」の幅の狭さを解消すれば、もっと自然な謎解きが楽しめるのにな、と以前から思っていたので書いてみました。


まあ、あまりアバウトだと、結局自力で解明したことにならない可能性が高くなるので、それはそれでまた微妙のような気もするのだけど。
「○○が××でみんな△△の**」が正解ではいけないわけで。
難しいところです。
蒲田屋は、これが ANOS の今後の課題かなぁ、と勝手に思っております。


ところで、かなり個人的なことなんですが、今回は今までに比べて試行錯誤を面倒に感じてしまいました。
それは決してゲームの内容のせいではなく、蒲田屋の今のメインPC の性能が格段に落ちたせいです。
あとまあ、ちょっと時間とか精神的に余裕がないときにやっちゃったってのもあるんだけど。


でも、ゲーム自体の動作も、過去作品より重くなってる気がします。
「だらよ1」(前作)は、もっと高性能のマシンでやったのでわかりませんが、「空の浮動産(再装版)」、「ロストカラーズ」はこのノートPC(ThinkPad X40)でやって、特に重いとは感じませんでした。


にもかかわらず、「だらよ3※」は CPU使用率が 100% で継続して処理落ちしてしまうシーンが何度もありました。
ビジュアル的な演出のあるシーンでは必ずです。
繰り返しの試行錯誤が基本のこのゲームで、処理落ちによる引っかかりはストレスです。
たぶん、ビデオ周りが原因だと思うので、CPU の性能だけではなさそうですが。


そんなところでまた、早いとこパソコンなんとかせにゃなぁ、とか思ったりも。